マジミラの透過スクリーンに対する妄想と検証あれこれ前編

ライブ

当初、この文章はまとめて「全文を一斉に」公開しようとしていたところ、あまりにもかかる期間が長く、書き終わる頃にはマジカルミライ2023に突入しかねないし、かつ文章が長くなりすぎたので、複数の投稿に分けて、順次投稿していきたいと思います。

一応、前後編構成を検討してるけど、あまりに長くなりすぎたら、中編ができるかもしれません。 後編が完成しました。

マジカルミライ 10th Anniversaryの円盤がリリースされた。残念ながら札幌公演には行けないので、そろそろマジカルミライロスを感じ始めた頃合いの円盤リリースはなかなか来るものがある。

新型コロナウイルスが今度2類から5類になるとか、セカライで声出しが一定の要件のもと許諾されたりと、徐々に変わる世の中と、それを感じさせるきっかけだったマジカルミライ10th Anniversary東京公演の先のブログ記事を思い出していた。

まぁ札幌公演は生放送があるし…と思って、夜に少しお酒を飲み、過去のマジカルミライを見ていたら、気がついたことがある。

マジカルミライ2018

マジカルミライ2021

撮影レンズの画角が違うとか、詰めてる具合が違うとか、言い出したらキリがないのだが、僕が気になったのはそれではない。実はプロジェクターの個数が減っている所である。

そら
そら

というか透過スクリーンの比率も変わってる?
これってスクリーンが小さくなってる、つまり「劣化」しているのでは…?

ただ感覚だけで変わったと言うのは気が進まない。なので、ここでは「マジカルミライ2020以降の透過スクリーンは縮小した」という仮説を検証してみたいと思う。

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マジカルミライ2013~2014 (第一世代)

そもそもマジカルミライは2013年から、従来の感謝祭・ミクパより可動域の広い12mスクリーンを採用している。これは従来の感謝祭/ミクパ用に使っていたスクリーンが6mだったことから考えれば倍である。この数字は当時セガのプロデューサーをやっていた人 (元1号さん) のインタビューにも書かれているものである。

【ミクさん10周年おめでとう企画】元SEGAの中の人(1号)さんに聞く「これまでとこれから」超ロングインタビュー前編
ボカロ界には"神"と呼ばれる存在がいます。 今や世界で賞賛されるムーブメントを創り上げたクリエイターたちはもちろん、音声合成ソフトのボーカロイド『初音ミク』の販売元・クリプトン社 伊藤社長、同社開発者の佐々木さん、VOCALOIDを開発した...

また、マジカルミライ2013と、マジカルミライ2014におけるメインプロジェクターの配置は5機構成 (メインとは別にバックアップが同じ台数、合計10機構成) であった。この頃から大感謝祭が使った4機構成を上回るものである。

ちなみに、マジカルミライはほぼ毎回Panasonic製3チップDLPプロジェクターを使っているようで、20000ルーメンぐらいの光を放てる強力なものを使っている。それでも光量を稼ぐために投影域を重ね合わせていたりするほどである。

レンタルで1台80万円ぐらいするようで、マジカルミライ規模の10~14台レンタルすると、ほぼ1台買えるぐらいの価格になってしまうらしい。

計算するためには膨大なシーンから、スクリーンのサイズやミクのサイズが分かるシーンが必要となる。円盤からその都度切り抜いて、観測や計算するための数字を貼った画像をブログに載せていてもキリがないし、何より (元よりブログは引用の要件を満たすか怪しいが) 公式素材を使い過ぎて目を付けられるのも嫌なので、これ以降は観測した結果をもとに図に書き起こしたものを使わせていただく。

黄色い点がプロジェクターである。
2つあるのはメインとバックアップの二重構成だからだ。

幅を元に計算

さて、まずは公式 (というより1号さんのインタビューは半公式か?) が発表してる幅12mという数字を信頼して、マジカルミライ2013/2014に出てきた初音ミクの身長を計算していきたいと思う。まずはスクリーンの高さだ。

\(12\times\frac{4}{25}=1.92\)

スクリーンの高さは1.92mという数字が出てきた。けっこう中途半端な数字なので、おそらく誤差が発生しているような気がする。ただ、現状としてはこの数字のまま計算を進めてみようと思う。

\(1.92\times\frac{4}{5}=1.536\)

153.6cmという数字が出てきた。これは公式設定の158cmに若干の誤差こそあるが、近い数字である。逆に、158cmを元に逆算しても

\(1.58\times\frac{5}{4}=1.975\)
\(1.9\times\frac{25}{4}=12.34375\)

と12m強の数字を吐き出している事を考えれば、円盤という画角や資料の質を考えれば、中々近い数字にたどり着いたのではないかと思う。いずれにせよ、マジカルミライ2013/2014の初音ミクは、若干小さ目な比率で投影されていたと言えるだろう。

スクリーン幅 (m)スクリーン長 (m)初音ミクの身長 (cm)
約12m
(公式発表値)
約1.9m
(推定値)
152cm~155cm
(推定値、ちょっと小さい)
マジカルミライ2013~2014の透過スクリーンの数値

マジカルミライ2015~2019 (第二世代)

マジカルミライ2015からは、新たな素材の透過スクリーン (おそらくCFMの開発したらしいR3フィルムだが、確実ではない) を採用し、またプロジェクターが2機追加され、7機構成となった。(メインとは別にバックアップが同じ台数、合計14機構成)

これはステージ上で左右 (上手と下手) を一気に駆け抜ける時に光量のムラが目立ってしまうことへの対策として導入されたものである。また、投影も2013年の「プロジェクター丸見え」から変わって、比較的足元寄りになった。

7機構成にしたことが原因かは知らないが (一部にはエフェクトを載せすぎた説もある) 、2015年には、コンサート中にシステムが全シャットダウンすると言う事件が起きている。(リンレン消失事件とかリモコン事件と呼ばれる)

まぁぶっちゃけ比率自体は2013〜2014年と同じっぽく見えるのだが、リンレン消失事件から推定できる「システム更新」や、スクリーンの素材が変わったことを鑑みて、もう一回測定し直してみることにした。ちなみに、この第二世代のスクリーンは菱形の鉄パイプの枠がついてるもので、おそらく2015年から2019年まで共通で採用していたのではと思う。

マジカルミライ2013~2014で使用されたスクリーンとは比率が若干違うようだ。
とはいえ、ただの測定誤差であるような気もする。映像の歪みって怖いね。

幅を元に計算

いくら比率が同じっぽく見えていても、透過スクリーンを新調してるならば、スクリーン長も変わったのでは?と考えることもできてしまう。幸いにも、マジカルミライ2015の「LIVE&MAKING」で紹介された10日前のリハーサルにおいて、新調した投下スクリーンを設置するシーンで、こんな事を言っている。

…と言うことで、本項目でもスクリーン幅は12mとして計算することができそうだ。

\(12\times\frac{1}{6}=2\)
\(2\times\frac{4}{5}=1.6\)

158cmに近い数字が出てきている。逆に身長から計算してみよう。

\(1.58\times\frac{5}{4}=1.975\)
\(1.9\times\frac{6}{1}=11.85\)

ちょっとスクリーンの幅が足りないような気もしなくはない… 少し誤差が出すぎているような気もしなくはないが、大まかに見れば12mと極端に離れているってことは無さそうなのが唯一の救いである。

スクリーン幅 (m)スクリーン長 (m)初音ミクの身長 (cm)
約12m
(公式発表値)
2m~1.975m
(推定値)
160cm
(推定値、だいたいそんなもの)
マジカルミライ2015~2019の透過スクリーンの数値

マジカルミライ2020~2022 (第三世代/現行)

5年間も同じシステムで動いていた (ように見える) マジカルミライだが、それも2020年で一新される。冒頭でも言ったように縦横比が変化し、プロジェクターが再び5機構成に戻ったのが分かりやすい変化点である。とはいえ、これまで通り、毎度恒例のPanasonic製3チップDLPプロジェクターを用いているようである。

また、マジカルミライ2020 LIVE&MAKINGにも、面白いシーンがある。マジカルミライ2015と比較すると目立つものだ。

マジカルミライ2020 LIVE&MAKING

マジカルミライ2015 LIVE&MAKING

これまで取得してきたデータ上だと、高さは2mほどで、成人男性のサイズに近い中、2020年の透過スクリーンは明らかに1.5倍ほどの高さがあるスクリーンとなっている。この時点で比率が明らかに違うので、再度映像から観測できる結果を図に書き起こしてみることにした。

明らかに、ミクさんの身長とスクリーンの高さが従来より広くなったといえる。

幅を元に計算…できない???

さて、明らかに比率が従来とは異なる事が分かるし、計算をしたいと思う… と言いつつも、実はこの第三世代の透過スクリーンについて、MAKING映像などを見ても何も明言されてないのだ。

サイレント変更という感じで、よくよく見て気が付く、みたいな仕組みであるがゆえに、前回までみたいに公式に数字が出ていないことから、幅12mという数字が使えない。

スクリーンの幅が12mのままだったと仮定する (仮説1)

まず、スクリーンの比率は変わっても、昔マジカルミライ用に作った楽曲データとの互換性を考えて、12mを維持したという仮定で考えてみよう。この場合、サイズは以下の数字になる。

\(12\times\frac{1}{3.4}=3.529…\)
\(3.53\times\frac{0.52}{1}=1.8356m\)

スクリーン幅 (m)スクリーン長 (m)初音ミクの身長 (cm)
12m約3.5m183cm

この説に立つと、初音ミクの身長が公式設定の1.15倍のサイズで投影されているという事になる。なんとも変な感じがするし、スクリーン長とメイキング映像の男性のサイズ感が合わない気がするのである。とはいえ、説としては成立するだろう。

初音ミクの身長が152cmのままだったと仮定する (仮説2)

では逆に初音ミクの身長が同じ (158cmほど) と仮定して計算してみるとどうだろうか。

\(1.58\times\frac{1}{0.52}=3.038…\)
\(3.038\times\frac{3.4}{1}=10.33…m\)

スクリーン幅 (m)スクリーン長 (m)初音ミクの身長 (cm)
約10m強約3m158cm

こう見ると、両端1mずつ削られた説が出てくるのである。とはいえ、そうなると当然に過去にマジカルミライ用に作った楽曲が互換性を失う事になってしまう。

この場においては可能性が二つ存在するという事になるが、それの確定は次回に持ち越したいと思う。

一旦の休憩(インターミッション)と、その前の感想。

さて、前半では円盤から得られる比率から出せる情報を主に取り扱ったが、どうだっただろうか?正直、このリサーチが一番時間のかかる部分で、マジカルミライ 10th Anniversary 東京公演の後から3か月ぐらいはずっと、この数字の計算をしていたというのが実情だ。

次回 (中編になるか、後編になるかは未定) は、これをより深く掘り下げていくために、長さを確定する方法をいくつか検討していきたいと思う。様々な方法を使って、12mなのか、10mなのかという事を検討していきたい。時間はかかるかもしれないが、ぜひ期待してほしい。

引用画像

以下の映像より本記事の画像は引用しております。

  • マジカルミライ2015 LIVE&MAKING
  • マジカルミライ2018 (本編BD)
  • マジカルミライ2020 LIVE&MAKING
  • マジカルミライ2021 (本編BD)

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