【C101】5年ぶりのおしながき。

Bookraft

今年もやってきた。コミケの新刊は無事に入稿でき、お品書きを書く時期である。なんやかんだ、4年ぶりぐらいだ。

初っ端から言い訳のようなお詫びだが、今回の新刊は従来の値段より上がっている。なんとBlock Pioneerは500円から1,000円と、前年度比で200%になるわけで、その点は申し訳ない。

言い訳タイムではあるが、原材料費がかなり値上がりしたことで、従来の価格だと、Adobe Creative Cloud代どころか、当日のおやつさえ調達できない価格になってしまうので、値上げを断行した。史上初の「硬貨」じゃ済まない価格になってしまったが、クオリティは上げているでの許してほしい…

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場所とか

コミックマーケット1日目 (金曜日/12月30日) の東ホール W-12bである。東2ホールめがけて行けばあってる。周りはマイクラ系サークルっぽいので、一緒に見てあげてね。

入場チケット必要だから要注意。ちなみに二次販売 (先着順) も完売してます。告知が遅れてごめんなさい。けど全部通販します。送料はかかっちゃうけど、本体価格は同じなので許して…

Block Pioneer ~Kuidaore Ver~ (新刊)

今回の新刊である。落とさずに済んだよ!!!!!!! 今回は、すずらんサーバーさんと建築の森サーバーさんを取り扱っている。

すずらんサーバーさんに関しては、サーバー主rukekamさんのインタビューと、本誌独占で扱わせていただいている「新企画」の詳細が主な内容となる。

建築の森サーバーさんに関しては、澄川県の特集と、かつてのサーバー主、きり猫氏による独白などを扱わせていただいている。

ほかにも、サーバー運営向けの「団体内コミュニケーション」を円滑に図るコラムなどを扱わせていただいた。

B5 / フルカラー / 28Pで、頒布価格は1,000円となる。

「Kuidaore (食い倒れ)」ってなんやねん、って思われそうだけど、今回は大阪をベースに、C98用の本 (欠番) の「パンケーキ」につながる「食い倒れ」と命名させてもらった

一応没案に「道頓堀」(かつて住んでいたインディアナポリスの名物、Indy500に佐藤琢磨が優勝した時のネタ由来) というのもあったりなかったり。表紙がグリコなのもそれが理由です。

ちなみに、年末年始には届く「あけおめ速達便」も用意した。値段は同じだし、事後通販と違ってコミケで頒布する初版ロットなので、初期ロット完売時の仕様変更もない。コミケが終わったら即発送 (当日発送扱いになる場所から) するので、上手くいけば31日には、運が悪くても三が日には届きそうである。

BOOTH | お探しの商品が見つかりませんでした… (404)

建築の森サーバー「建築王」(新刊/委託製造)

それと共に、今回の冒険で躍進したといえる部分、二冊目の新刊を紹介しよう。建築の森サーバー様から依頼を受けて作り上げた「建築王」である。

第二の新刊は、まさかの12月上旬におきた、こんな話から始まる

KAZUTO
KAZUTO

建築の森サーバーの写真集って今からでも出来ますかね…?

もともと、C98でやろうと言っていたプロジェクトの復活を、ここで挑むこととなった。ギリギリに物事が決まるのはスケマネ大っ嫌いな僕あるあるなので慣れてるけど、流石に製作期間2週間で作り上げることになるとは思わなかった。

とはいえ、こうして完成した。建築の森サーバーの住民の皆様と、サーバー運営の残したい歴史を、彼らの本として残すのが、この本の目的だ。

なお、新刊を落としたら、鯖ヌッシのKAZUTOさんに処刑される所だったので、なんとか命を取り留めた感じはある。

ちなみに、印刷会社がBookraftとして使うオレンジ工房.comではなく、ホープツーワンさんを使ってみた。締切が早割を適用しても24日9時までという「ギリギリ」に最適な印刷会社さんだ。会社が異なるので、これまでの本と若干ながら見た目が変わるかもしれない。

B5 / フルカラー / 20Pで、頒布価格は800円となる。
もっとギリギリじゃなかったら安くできてたかもしれない… が、今は完成した事に満足である。

一応、Bookraftがデザイン委託を受けて設計したという、いわゆるOEMみたいなものなので、Bookraftと建築の森サーバーの共同新刊って事で良くね?とは思います。

新刊セット割

上記二つの新刊については、一緒に購入していただくと通常1,800円のところ、特別に1,500円になる。つまり300円引きである。

これは建築の森サーバー内での投票結果を踏まえたもので、建築王に関しては、可能であれば500円を目標にしていたが、現実的に納期がギリギリで、そんな低価格で行ける印刷会社や早割は無理!となったので、単体価格を800円とし、セット割で「実質500円」という形に妥協せざるを得なかった。

建築の森サーバーのDiscordで投票を取ってもらい、
その結果を鑑みて割引を行う事に決めた

Block Pioneer ~Nico Ver~ (既刊)

それとは別に、2018年の既刊も大量に出てきたので、一冊いかがでしょうか、という感じである。

2018年に超まいくらひろば (ニコニコ超会議併催) で出した本が、大量に自宅の押し入れから出てきたので、今回のコミケでは100円でご提供しようと思う。

ニコニコ超会議で頒布したバージョンとはPPが無かったりするコストカットな仕様変更と、権利周りの修正っぽいけど、内容はほとんど同じである。唯一の違いは物理本ということもあって、一部デジタル版から消した内容も含めて描かれてるという事だろうか。東方キャラもこの本では描かれてる。

とまぁ、2つの新刊という史上初 (当社比) の記録を打ち立てたので、今回の制作は成功だったと言えそうだ。

本造りの工房から (お気持ち)

実はKuidaore Verの「本造りの工房から…」が未完のまま脱稿せざるを得なかったし、その後に建築王をデザインしながら思いついた事などがあるので、これこそが僕の言いたかった事である。

あまり本誌のメインではない事から、「#4 Rebirth、そして」も一緒に掲載しておく。これで意味が繋がるはず…

(「#4 Re:Birth、そして」部分)

このコラムを書くのも、4回目になる。今回は高校の授業中だったり、太平洋上の飛行機から入稿するカオスな事はせずに済んでいるし、ギリギリになってしまったとはいえ、かなり落ち着いた本造りだった。唯一申し訳ないのは値上げだろうか。原材料費の値上げブームであるとはいえ、割引を組み合わせる事が出来るように、もっと早く作れていればと後悔している。持続可能性の観点からも、そっちの方がいいに決まっているだろう。

さて、前回 (とはいっても4年前だが) の編集後記で懸念したような「崩壊」は起きず、かつてに比べれば、かなり落ち着いた界隈になっているようだ。それよりはMinecraftマルチプレイサーバーから、VRChatへの「移民」が増加したように思う。お前もその一人だろうって言われそうだが、そんな事もあって「裏テーマ」は「どうやったら人が戻ってくるか」だったのが本誌である。

確実に人を戻す「方程式」は見出せなかったが、「非言語的」な体験が人を戻す、という方向性を発見できたのは大きな進歩だろう。そして僕もその一人でなのである。そう、四年間もBookraftを塩漬けにした言い訳である。

2020年、コロナで同人誌の対面頒布が出来ない未来を見せられて疲弊気味だった僕は、歌姫ミクの世界で受けた誹謗ことばで、建築マイクラも、創作ブックラも、何もかも捨てかけて、動けなくなった。そして、いざ動けそうになった時には時が経ちすぎて、もはや起き上がれなくなっていた。けれど、そこから元に戻れたのは、ある衣装を取り戻したコスプレイヤーによる「非言語的」な影響が大きかったことを思い出したのだった。

つまり、人は、誰かの勇気に、復活によって、力を得られる生き物なのである。僕が人から力をもらったように、この本が、誰かのきっかけや勇気、力になれるのならば嬉しいものだ。僕は、こうしてちゃんと戻って、作品を完成させた。


(以下は本ブログ向けに追記した部分。#4.1みたいなもの)

さて、先に述べたコスプレイヤーは皆さんご存じの事だろうと思う、すーみんさんの事だ。Twitterからブログ記事を見に来た人ならもちろん、初音ミクの界隈でも長くの知り合いだし、マジミラのブログ記事でも出てきたので、覚えてる人は多い事かと思う。

そもそも、僕はすーみんさんなくして有明の地には戻っていなかったことは、春にも書いた通りだ。

すーみんさんには、「モーニングコールで起きられた事を示さねば」と思っていて、それが今回のモチベーションだったとも言える。適度に煽りつつ、ぼやきつつ、焦りながら、いろいろと精神的に安定しない事もあったけど、最後には2冊の本を脱稿する事ができた。春に宣言した通り、クリエーターとしての敬意の示し方である、「創作には、創作で返答する」を僕はちゃんとできたのだ。

またFifth Ave Ver以前から、大きく変わって内製アセットを増やし、写真やフォント等のデザインを重視する部分が増えたのも、「Sewing Future」の影響だろう。表紙も前作から変化したが、中身も同じように大きな変化を遂げている。とても追い付いたとは言えないけど、以前に比べれば大きな一歩である。

とにかく、すーみんさんが僕に与えた影響は、創作そのものにおいても、デザイン面でも、かなり大きなものだった。


また「沼先案内人」と私が呼ぶかたにも感謝しなければならないだろう。この方もまた、コスト高でどうしようかと頭を悩ませていた時や、2冊目で使おうと思ってた印刷会社の短納期プランが受注停止でダメになりそうだった時にも、支えてくれた人である。

あとBlock Pioneerのアセットとかを描いてくれていたりする。今回も当日まで秘密がいくつかあるので、お楽しみに…


この二人に、最大の感謝を述べたいと思うのだ。

彼女ら二人の支援無くして、製本に成功したとは思えない。かつて誹謗ことばが壊した「創作」を、人の行動や優しさといった行動のおかげで、また僕の手元に戻す事が出来たのだ。

そう、きっと何事もそうなんだと思う。言葉より行動、誹謗より優しさ、潰すのではなく生かす、そうして世界はどんどん心地良くなるのだと信じたい。

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