「THUNDERBOLT」に思うあれこれ。

ライブ

先日、久々に驚くニュースが飛び込んできた。初音ミク JAPAN TOUR 2023 ~THUNDERBOLT~の開催決定である。過去を思い起こしながら、どんなライブになるだろうか、と考えていた。


全国5都市で開催し、場所もZeppを使い、かつ春の時期に開催するという、かつて私が初めて参加したライブ、「HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour」を思い起こさせる感じであることから、私の周りの人々の反応もそこそこ多いものであった。EXPO JPも、なんやかんだ7年前ぐらい前になるものである。

今はなきZepp Tokyoで、初めてのライブに参加した

当時、僕は高校1年生だった。そこには、実の親ほどの年齢の人も、当時専門学生/大学生だった人も、たくさんいた。そして、この時に会った人々との縁は、多くが今もなお続いてるし、この2016年の全国ツアーをきっかけに入ってきた人、戻ってきた人も周りにはたくさんいる。

この大トロボタンも、懐かしいものである。

だからこそ、このMIKU EXPO 2016 Japan Tourを思い起こさせる全国ツアーは、その様な起爆剤に再びなってくれるのだろうか、という期待があるのだ。日本全国で、かつて追っかけていた人、新たに興味を持ってくれた人が、このライブをきっかけにマジカルミライにも来る (地方の人だと遠征になるよね) 様なレベルの何かを期待してしまう。


さて、今回のThunderboltだが、早速タイムライン上では、どんなライブになるかっていうのが議論になっていた。今回、かねてより期待されてきたクリプトン・フューチャー・メディア株式会社のライブ制作部門を分社化した「雷音株式会社」が初音ミクのライブとしては初めて出てきたことも一因だろう。(実際、分社化しただけでメンバー的には従来のマジカルミライやEXPOと変わらないはずだが)

ただ、それ以上に、長らくライブと言えばセガ (正確にはマーザだったりする部分もあるが) しか居らん!といった初音ミクのライブに「セガ」が名前を連ねてないどころか、はじめて「株式会社バンダイナムコミュージックライブ」が出てきたからである。

公式サイトのフッターより / 2022年11月15日現在

これでネットで話題になっていたのは、果たして今回のライブは従来のFモデル、AC/FTモデルや、ミクパモデルといったセガモデルが出てくるのか?という点である。

確かに、バンダイナムコはセガと競合関係にあるゲーム会社 (コンシューマー機、アーケード機のどちらでも) と思われているし、実際その側面もあろう。ただ、グループ会社レベルでどうなのか?という疑問も浮かぶものである。

ちなみに雷音とバンナムの関係は、ホロライブ関連ではないか?という考察を立ててる人がいた。僕個人はVTuberに注目してないので詳しいことは書かないが、確かに理由としては成立してる。

ここで、モデルのあれこれを書いてる僕個人の考えるありえるシナリオを考えたいと思う。
個人の考察で、いいところで憶測に近い側面もある上に、外れてもおかしくないし、アテにはしないでほしいが…

① Two Youのようなライブ (従来型EXPOの発展系)

つまり旧曲はAC/ミクパ/F/FTモデルを採用しつつも、新曲はほぼ19モデルで作るスタイルである。私個人としてはこれが一番現実的なプランの様な気がする。

まず使用する全曲を19モデルにするとなると、既存曲含めてレンダリングのし直しになるので、凄い金額が飛んでいくのが目に見えてる。また、そして19モデルはミク・リン・レンにしか存在しない。この時点で、既存曲の再レンダリングを行う19モデル全面採用は (よっぽど莫大な予算があれば別だろうが) 困難だ。

しかしながら、新曲だけの19モデル採用を考えてみると現実味が出てくるのである。もし既存曲は既にレンダリングしたセガモデルの映像に頼れば (使用料は取られるだろうが)、予算も現実的になってくる様な気がするのだ。また、過去のリアル開催のMIKU EXPOではミク・リン・レンは新規曲が初演 (ミクは積乱雲グラフィティ、Celluloidなど。リンレンはいーあるふぁんくらぶ、8HIT、ジェミニなど) されているが、ルカ・MEIKO・KAITOは既存曲に限られている事も挙げられる。

つまり、従来の傾向を踏襲するという前提条件において、新規曲の例がある3人はセガに依存しない19モデルで作れるし、逆に新規曲を出した例のない3人において、セガモデルの採用は避けられないのではないかという考えだ。そうすると、「既存曲はセガモデル、新規曲は19モデル」なんて分け方の可能性も出てくるだろう。

もしかしたら、憶測ではあるが、新規に楽曲をレンダリングしないからセガが名前を連ねてない、なんて可能性もありそうだ。19モデルを作るLATEGRAは昔からあまり名前を出さず、19モデルの映る画像のクレジットも毎度CFMだけしか入ってないことから、そんな気もしてくるものである。

逆に、バンダイナムコミュージックライブは「ステージ」とかの設計にしか携わってない可能性もありそうだ。つまり、実態としてはほとんどクリプトン/雷音のお仕事の可能性だ。(セカライもそんな感じだったよね)

この「既存曲はセガモデル、新規曲は19モデル」手法は鏡音きょうだいの記念ライブ、Two Youでもやっていたことからも現実性がある。そうなると、従来の延長線上に近いし、リブランドしたMIKU EXPOみたいなものであると言えるのではないだろうか。

② MIKU EXPO Online 2021の発展系

つまり、全曲つみ式を中心としたスタイルである。リアルライブにしては初めてのスタイルになろう。

確かに、MIKU EXPO 2021 Onlineや、NHKの放送といったARの現場で、つみ式は実績があるし、初音ミクシンフォニーでは長らく使われてきた。また、19モデルと同じく、つみ式もCFM一社のクレジットしかつかないモデルである。そして、ピアプロ・キャラクターズ6人が全員存在する。

ホロライブ系全国ツアーの準備としてのライブとして考えると、Thunderboltをきっかけに、LEDスクリーンや黒幕式にして、初音ミクをライブに出すのもありかもしれない。マジカルミライ2021の幕投影が、その実験だった可能性もあるだろう。

ただ、つみ式はクリプトンのWatさんも認めているように、「低予算/コスト案件」用として用いられていること (だからこそ全曲レンダリングし直しができるのかもしれないが) が気がかりである。

他にもアニメ調であること、またMMDモデルがベースであることからも、8000円出すライブでMMD有志ライブの発展版を行うとは何事???という形の懸念がある。それこそ、かつて黒箱が採用されたミクパ東京のお通夜状態を、現代にリバイバルさせることにもなりかねない。

ただ、VTuberやプロジェクトセカイ COLORFUL LIVEシリーズに代表される様に、ノンフォトリアリスティックなモデルが社会的に受け入れられつつある事、昔ほど透過スクリーンによる実在性が重要視されてないことや、2011年当時ほどの廃人比率ではない事情を考えると、お通夜にはならないかもしれない。

MIKU EXPO Online 2021でのつみ式は、映像かつARであったこと、クラウドファンディングという予算の限界、かつ参加/視聴が無料だったことから使えた例外みたいなものと言えるだろう。したがって、有償ライブとしての性質を持つThunderboltが同じ道を選ぶのは難しいのではないかと思うのだ。

とはいえ、肯定できる理由と否定できる理由が同じぐらいに並んでるので、これもこれで可能性としてはあるのではないかと思う。よっぽど、次に述べる「可能性③」に比べれば、可能性が高い。

③ 誰もが予期してないライブ

もしかしたら、誰も予想していない形式でライブをやるかもしれない。バンダイナムコが新たなモデルを開発して、ライブに採用するなんていう未来もいいだろう。ただ、予算的にマジ????と思ってしまうのが欠点だろうか。


…とまぁ、色々と妄想を書いてみたわけだが、正直な話をしてしまえば、新たな形であろうが、従来の延長線だろうが、我々はペンラを振って楽しむだけである。かつて、MIKU EXPO 2016 Japan Tourがもたらした「再流入」や「定着」を、Thunderboltにも期待してるし、これをきっかけに初音ミクのガチファンが増えてくれる未来を見たいものである。

歴史が一周回って、今度は自分が既存層として、迎え入れる時代になったのかと考えると、色々と深いものである。

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