この記事は本来、先週出したマジカルミライの記事と一緒に出すつもりではあったのだけど、マジカルの記事をさっさと出したかったことと、その内容の性質上、別に分けるかぁ、となって結局分けるに至った内容である。
要はアパホテルに泊まった時のあれこれを、自分の調査に生かすためにまとめてるだけの何かである。その為の雑記帳だしね。
昨年度からの変更点
第一に、クロークがスマートフォンで預ける個数などを指定する形になった事と、それに伴って宿泊者に同伴する人が預けるときの手間が減った (前は宿泊者本人の名前を聞かれていたので厄介だった) 事が挙げられよう。こちらに関しては夏時点から始まっていたようだったので、既にアパ幕張のあれこれには記載してあった内容である。
またセントラルタワー客室のドアノブが新型のルームキーリーダーに置き換えられており、差し込み式からタッチ式に変更されていた。また、客室内に通電させるためのキーホルダーが設置されており、昔のように鍵を突き刺さなくても電気が付く仕様ではなくなったようである。省電力かもしれないし、鍵を忘れる人間には助かるが、同時に自分が部屋にいないときに部屋を冷やすために適当なカードを突きさしておく事になるのは面倒なものだ。
これに伴って、かつては唯一のシリンダー錠を維持し続けた客室であったスイート系客室もタッチ式に改められていた。そのおかげで1秒チェックイン対象の客室になった事は良いかもしれない。また、スイート客室に関してはキーを刺さなくても通電するので、その点は維持されているのだろうか。
プレジデンシャル スイート
元々想定していなかったのだけど、僕が「アパ幕張のあれこれ」を出しているのを知っている方から、木曜日の夕方にこんな連絡があったのである。本人が匿名を希望しているので、ここではアパ会員の最上級ステータスになっていることにちなんで「とある”代表“」と呼ばせて頂こう。
プレジデンシャルスイートしかなかったけど、いいかな?
某語録で誘われるとかいう大分あれな感じもしなくはないが、せっかくだし、何よりも情報不足を補うための絶好のチャンスだ!となって、ご厚意に甘えて一緒に泊まらせていただくことにした。
さて、今回泊まったプレジデンシャルスイートは、かつての幕張プリンスホテル時代からあまり手の付けられていない客室 (1) の一つである。幕張プリンスホテル時代の末期には一泊二名で最安6万円程で売られていた客室が、いまや3.5万円である。もっと値崩れしとるやんけ、まぁアパだしな、ソフト面は全廃止やろうしな…とは思いつつ、少し豪華な感じのする木目調のドアを開ける。
(1) Internet ArchiveのWayback Machineより、当時の予約ページに掲載されている客室間取図と現行のプレジデンシャルスイートがほぼ同じでであることが分かる。同じような旧幕張プリンス時代の設計を色濃く残した客室として、他にも後述するデラックスツインや、シングル・セミダブル (40~44Fのみ) が存在する。
手前側を奥に進もうとするとリビングである。窓枠にはホットカーペットも設置されており、冬などに夜景を楽しむとき、凍えずに済む配慮がされていたのは良いと思った。ちなみに、幕張プリンスホテル時代はここにソファがあったらしい。当時から身を乗り出してみる為にあったのか、それともアパが設置したのか、若干気になるところである。ちなみにカーテンは電動式だったが、その制御ボタンが若干陥没していたのが「マジかよ」って笑えたところである。
また、反対側の扉を開くと、別にベッドルームもあった。この部屋もカーテンの制御はベッドのコントロールパネル経由であり、電動である。窓枠から推測するに、このベッドルームだけで他の客室並みの広さはあるのではないだろうかと思う。ベッドの幅は120cmほどで、おそらくデラックスツインのものと違いは無いように見受けられる。
スイートルームっていうからにはリビングルームとベッドルームが別になきゃなー (2) って思っていたので、幕張プリンスホテルの設計を比較的残しているプレジデンシャルスイートは期待通りであった。
今回は宿泊していないが、エグゼクティブスイート (4501号室、反対側の角部屋) はリビングとベッドルームがぶち抜きになっているらしい。アパ買収に伴う改装らしいが、それではジュニアスイートの扱いでは?と思う。ちなみに両室に勝る上位客室として、かつてロイヤルスイートと呼ばれていたインペリアルスイート (4550号室、海側の角部屋) がいる。その点ではプレジデンシャルスイートもあくまでジュニアスイートであって、「お得」な「スイートルーム」感のある当たり部屋という扱いなのかもしれない。
(2) HISのオウンドメディア『Trip it Easy』、ホテルマンによるサイトや、東京YMCA国際ホテル専門学校のコラムによると、スイートルームの一般的な定義はベッドルームとそれ以外の部屋 (大概リビングルーム) が別々にある客室の事を指すとのことであり、最低でも2部屋は無いとおかしいらしい。
さて客室の写真を撮っている間に外を見ると、ちょうど日が沈むところであった。望遠カメラを使うと、試合がそこそこ見えてしまうのは笑えてしまった。
そうしたら、いきなり花火を打ち始めた。試合に勝ったのだろうか。慌てて撮ったため、反射が凄いことになっている。
そうして、大浴場でツナガルフロバなんていって人々と交流し、夜はHDMI端子にパソコンを刺して、映画の上映会をしながら、館内で買ったアパ社長カレーを湯煎してレトルトご飯にかけ、安い缶チューハイを飲むという、「スイート客室に明らかに身の丈に合わない」アホな夜を過ごしたものである。
まぁこれも、別系統で低価格帯なアパホテルだから出来る事、と言ったら変かもしれないが…
翌朝、目が覚めたら9時前であった。リビングのカーテンを開けると、すがすがしい青空と奇麗な幕張新都心の景色が、半分空いているのか分からないような眼の中に飛び込んできた。
なんとマジカルミライに入ろうとしている人まできれいに見えるではないか。出遅れてしまった。
遅れたものはしょうがない。12時半からライブが始まるので、折角なら一度も使ってない展望風呂を使って朝風呂に入ろうと考えたのだ。が、なんとこのブラインド、引き上げる事が出来ずに落ちてきてしまう。なので少しでも外を見ようと頑張って調節したが、結局この程度で精いっぱいだった。展望風呂…と期待していたので残念だった部分でもある。
シャンプーなどの一般的なアメニティはよく言えばお馴染みの、悪く言えばありきたりなアパのものが置いてあった。一方で、バスローブはスイート客室のみと思うし、ドライヤー、シャワーヘッドや空気清浄機などは一般客室のものよりは良いものが設置されているっぽい。またテレビも通常の客室のものより大きく感じた。
そうして、短い間ではあったが、アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉のプレジデンシャルスイートに泊まる事が出来たのである。
高層階デラックスツイン
土曜日から月曜日の間は元々自分で抑えていた予約があって、それがデラックスツインだったので、プレジデンシャルスイートを出た後は (一度荷物をクロークに預けて) そちらに泊まっていた。長らくxx01/xx21号室の客室画像は収拾が出来ていたのだが、今回は幸運にも3114号室に泊まる事が出来た。
マジカルミライ2023のブログ記事を読んでいただければわかるが、今年のマジカルミライはろくに休憩が出来ない状態だったこともあり、客室に戻る頻度が例年に増して多かった。そんな時、14/34号室のデラックスツイン客室だとソファがあって楽だったものだ。
展開して寝そべることもできる。
そういえば、金庫になぜか古いプリンスホテルのロゴが出ていたのは笑ってしまった。隠す気がないんかい。
古いながらもセントラルタワー客室を選ぶ理由の一つでもあるのだが、ユニットバスの浴槽が身体を入れるだけの広さがある事は、途中にシャワーを浴びるとき等にも良かったし、オフ会などで若干酔っぱらった時や、混雑度的にも大浴場に行かない方が良さそうな時も「客室の風呂でまぁいっか」って思えるので最高である。たまご型浴槽に縛られるウエスト/イーストウィングだったら、そこまで風呂を使う事もなかっただろう。
翌朝はミク検があったので朝はそこそこな時間に起きた。カーテンは開けっ放しだったようで、日差しに起こされるというレアな体験をしたものだ。
ミク検から帰ってきても綺麗だったので、いくつか追加で抑えておいた
やはり朝の景色はプレジデンシャルスイートにも負けず劣らず、なんなら海の見やすさではこっちの方が当たりだったかもしれないと思う。
感想
まずはアパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉の関係者の皆様に、今年も相変わらずのマジカルミライ第二会場のような非常に混雑している状況を上手く対応していただいたことに感謝したい。毎年、これには驚かされるものである。
プレジデンシャルスイートに関してはハードプロダクトとしてのスイートはかなり感じることが出来た。当然、そのバックグラウンドはプリンスの居抜きだから出来る部分も多いのだろうが、フラッグシッププロダクトとしてのアパホテル&リゾート 東京ベイ幕張だからこそ、維持する部分は維持して今なお自信をもって提供しているのだろう。ほかのアパに多い、光沢の強い傾向のある色使いやシャンデリアなどのような無駄な豪華さが無かったことも、また良く感じた部分に思う。
デラックスツイン客室に関しても当たりだったし、やっぱり抑えて良かったと思った。2021年/2022年はウエストウィングツインに泊まっていたが、やはり2倍超 (13㎡ vs. 32.5㎡) になる客室の広さは正義だし、景色の良さやユニットバス浴槽の使いやすさ、深さに関してはプリンスの居抜きなセントラルタワーの特権のようなところもある。特に今年は休憩が全くできない運用でマジカルミライが開催されていた事が、デラックスツインという客室をより有効に活用させてくれたような気はする。
一方で、ハード面の修繕で気になる点があった。相変わらず客室内や通路問わずに壁のクロスやカーペットは汚れたままは普通で、平気で浮いたりへこんでいる状態だし、リビングのカーテン制御ボタンが陥没していたり、展望風呂とは言いながらもブラインドが引き上げられないのでのぞき見するしか無かったり、トイレの水洗ボタンから水が漏っている点などだ。要は整備不良の一言で片づけられる内容なのだが、既に幕張プリンスホテルとしての開業から30年経っているのが悪い形で表れていると思う。
外装はびわ湖大津プリンスホテルのような薄青っぽいガラス張りの奇麗さを残せても、1990年代に設計された内装や装飾品は、プリンス由来の設計のおかげで広い客室を担保できているとはいえ、大幅なリフォームをしないとガタつき始める頃のはず… というか既にガタが見え隠れしているように感じた。
これは以前宿泊したアパリゾート上越妙高 (これもプリンスと地元企業の合弁展開店舗がアパに買収されたもので、プリンス色を各所に残している) でも感じたが、特に居抜きアパホテルに多い「壊れるまで既存設備を使い倒しましょう、壊れきったらリフォーム (アパ化) しましょう」戦略を感じる部分もある。低価格性を考えれば致し方ないのかもしれないが、ウエストやイーストの増築も完了したことだし、もうホテルを建てる場所はないだろうから、セントラルタワーを末永く使えるように気を配ってほしくも感じる。
来年以降もきっと、マジカルミライが幕張メッセで続く限りは毎年来ることになるのだろうから、このホテルの変化は、プリンスの居抜きとしての特殊な性質も込みで興味深く感じるところだ。今後も定期的に宿泊して観測していくので、期待していてほしい。
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