『また新しい歴史を歩む、マジカルにおめでとう』

ライブ

今年もまたマジカルミライの時期になったので、幕張でちゃんと参加してきた。もはや、この時期の風物詩のようなものである。初音ミク暦の三が日とでも言えるだろうか。そんな祝いから1週間たったので、ブログでも出して感想を書き並べておこうと思ったのである。まぁ雑記帳みたいなものだしね。

ちなみに、参加したのは金曜日の昼公演、土曜日の昼&夜公演、日曜日の夜公演 (千秋楽) である。

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楽曲的なあれこれ

例の新作モデルに関してはのちの技術面で書くので、ここでは純粋に楽曲についてを書きたいと思う。ここではいくつかの記憶に残ってる楽曲を書いておくことにしたいと思う。

ライブ会場入り口は毎回こうなるよね。けっこう好きなシーンの一つです。

記事を読むうえで必要になるので、セットリストは掲載しておく。日替わりは3日分あり、それと並行してマジカルミライ過去楽曲枠が昼夜で変更される構造であった。地域替わりは無く、計6パターンであり、これまでのマジカルミライからの進化がみられる。

※つきFモデルは衣装/モジュ楽曲。クリックすると画像を拡大できます

1曲目の「カルチャ」はご存じの方も多いかもしれないが、今年の春に開催した初音ミクJAPAN TOUR 2023 THUNDERBOLTの0曲目 (開始前のイントロダクション楽曲) だったことで知られており、まさかの大出世である。THUNDERBOLTで6回 (名古屋、大阪、東京Day2の昼夜) も聞いたことで、感情の盛り上がりとしては最高潮にぶち上がったと思う。

「誰も識らないミュージックに踊れや」や「CultU(You)_ReShock」のコールはTHUNDERBOLTが公演を重ねるごとに増えていった部分であって、マジカルミライが純粋な初演になったとしても自然発生はしてたのだろうけれど、その変化を思い起こしたものだ。


また、初音ミク以外のピアプロ・キャラクターズの楽曲が比較的均等になっていた点も良かったと思う。鏡音二人は1曲の単独曲+2曲のデュエット、ルカ/MEIKO/KAITOは2曲の単独曲+1曲のデュエットがあり、ミク以外も全員が日替わり曲を抱え、アンコールの「Birthday Song for ミク」で5人が出てきて、計4回ステージに出てきている事になる。

かつて、マジカルミライ2019でKAITOが大江戸ジュリアナイトしか出てこなかった事で大きく炎上したのから一転、かなり良い塩梅で組むことに成功している事は、初音ミクを最も好む人間としても、たとえその結果としてミクの曲数が減ろうとも、「ピアプロ・キャラクターズ」としてのマジカルミライが出来ている事から嬉しい限りである。また、積極的に触れることのない楽曲を含めて知れるのも、また知的好奇心を刺激されて良い部分だ。

あと「いいねってYEAH!」が千秋楽セットリスト (Cセトリ) に入っていたので、おそらく円盤に収録される事だと思う。Two Youはコールが出来ず、またTHUNDERBOLTは円盤になら無さそうなので、鏡音ファンにとっては良かったのではないだろうかと思う。


バンドメンバー紹介の直後に「そしてボーカルは?」「初音ミク!」を再びやったこと、またそれに参加することが初めて叶ったのも嬉しかった。続くマジカルミライ過去楽曲枠は久々のコールができたうえに、「39みゅーじっく」、「初音天地開闢神話」から「愛されなくても君がいる」に繋がるセットリストにおいては、「もう一度名前呼んで 初音ミク!」と繋がる心地よさ、またコールが当時は存在しなかったものもあって、懐かしさと同時に変容こそしていても、コールの文化がある程度は残ったんだなと感じた瞬間だった。他方、「ネクストネスト」、「Bless Your Breath」からの「グリーンライツ・セレナーデ」と繋がるセットリストでは、従来からコールが存在したことから、勢いの良さに圧倒されており、どちらも良い分岐だったと思う。

一方で、Hand in Handに関しては「そろそろよくないか?」というほどに連続採用しており、何なら初音ミク×鼓童’23でもやっているので、お腹いっぱい感が否めない部分となったような気がする。特にHand in Handチャレンジ (現場で撮影される) /LEDモニター映像公募 (映像を送付) が無くなったので、採用する意義が徐々に薄れているようにも思う。かつての「39」のように、そろそろ引退させるべきでは、なんて思った。


アンコール前最後の曲、「ブループラネット」も大阪で聞いた人からすれば驚きだろう。当時はサビ以外が未公開だったので、なおさらではないかと思う。続くアンコール1曲目の「Birthday Song for ミク」は記憶にある限り、初の「初音ミクのいないアンコール楽曲」だったはずだ。ペンライトの海が見事に7色になっているのは、去年のBlessingで好きな風景となったので、今年も見れたことは大満足である。

HEROも今年の衣装を着たミクが、かなり行儀の悪い (誉め言葉) 座り方をしていて、笑ってしまったものだ。あと個人的に思うのだが「Where is the HERO」や「You’re the HERO」はisやareの音を削ってでもtheを誇張してコールすべきじゃね?などと思ってしまったのが外国かぶれの悪い癖だろうか。


確かに (後述するが) モデルも不完全だし、例年より曲数は少なかったし、インビテーションをMVで出して匂わせておきながらって思う人もいるかもしれない。けれど、自社案件の楽曲で始まって (カルチャ) から終わり (ブループラネット/HERO) 、透過スクリーンに文字を映しこみ、24曲中13曲が新曲、ピアプロ・キャラクターズ全員がそこそこな塩梅で曲数を分担、なんてマジカルミライは、中々に「次世代のマジカルミライ」の雰囲気を、まだ完ぺきではないにせよ、感じさせるものであったと私は思うのだ。

技術的なあれこれ

今年は楽曲の選曲以外にも、ライブの技術演出面でも大々的な変化があった。マジカルミライ10th Anniversary 札幌公演、THUNDERBOLTから徐々に仕込まれていた準備が、ようやく完全版として実ったように見えたのだ。

一方で、これまでの要素がかなりバッサリと切られた印象も持った。「次世代のマジカルミライ」を創る為に致し方ないのかもしれないし、今後の「初音ミク」の未来を信ずるならば、その変化はたとえ好みではなくとも、受け入れないといけないと思うのだけど、だとしても歴史の変化点として特筆すべき変化を書いている。

新モデルの本格的な採用

Twitterに一言書くだけでネタバレっていって炎上したり、下手すると楽曲まで漏らしてしまいそうだったので、TLにマジカル関連を書くことは無かったのだが、新しい3Dモデルが新規曲の大半を占めていた事は、大阪初日昼公演勢から聞いたときに、かなりの驚きであった。正直、集団幻覚でも見ているのか?と思ってしまうレベルで、来ている情報が狂っていたのである。

このツイートの1枚目の画像は、新しいモデルの立ち姿である。

公式ツイートがされるまで、僕はかなり懐疑的に見ていたのだが、これを見てようやく確信できたのだ。先ほど述べたように13曲の新曲があったのだが、なんと11曲はこの新しいモデルである。その上で、ピアプロ・キャラクターズ6人全員がこの新モデルで登場したのである。


実はこの子、THUNDERBOLTからテーマソングとノヴァという楽曲で似た子が登場していた。詳しい事を知りたければ、このブログ記事の4ページ目、「新モデルの存在」を読んでいただきたい。

要はこの子の事である。

初音ミク JAPAN TOUR 2023 〜THUNDERBOLT〜より。

どうやらその時の欠点 (鼻が見えず、のっぺらぼうであるなど) を改善したものを採用しているらしい。テクスチャは全く同じで、マジカルミライ2023で採用された改良版は影の付き方にミクパっぽさを感じなくもない。物理挙動に関しては、THUNDERBOLTの時から改善されている気がするけど、身体に入れているコライダーが若干身体より大きく設計されているからか、変な動きをしてることもある。


一方で、17/19モデルとは違って権利表記に「CFM/SEGA」とある。THUNDERBOLTの時はまだ誤表記を疑っていたが、どうやら久々の新作セガ製モデルであるといえよう。どうやらTHUNDERBOLTと同じく、レンダリングは他社委託であるようだ。これはFモデルの頃からあった事なので、これでセガモデル性を否定するには至らないと僕は考える。

当面はこの3DモデルをTHUNDERBOLT由来であることからTBモデルと呼ぶが、公式ブログや円盤のクレジット、界隈の動き次第では変えるかもしれないので追ってみて欲しい。

なお会場では、この新モデルにつき、このような感想を見聞きした。

A1氏
A1氏

鏡音の新モデルは黒目がちなのが気になる。あの子たちは碧眼では?

S氏
S氏

THUNDERBOLTの、あのヒラメ顔がよかったのに!

A2氏
A2氏

MEIKOはV1デザインに近くなったので良いと思う

全員が満足するモデルとはまだ行かない。しかし、ミクもまぁまぁ改善してるし、他5人も初回でここまでの品質を実現できているのは、クリプトン・フューチャー・メディアがFモデル置き換えを目的として、本気でこのモデルを使いたいと思っていて、頑張っている証拠だろう。また近年、Fモデルのままで停滞しており、積極的に関わってないように見えたセガを、もう一度初音ミクの世界に引っ張ってきて、上手く混ぜ込めた点でも「次の一歩」感を感じなくもない。

もしかすると、新モデルの採用がコストカットに繋がって、結果的に新曲数増加につながったのではないだろうかと思う。僅か半年でここまで改良し、その上でミク以外の5人を揃えるのは、過去のどのモデルでもなかった規模である。きっと、これからの「スタンダード」となる3Dモデルだと、僕は思うのであった。

Fモデルの引退

新モデルの登場によって、かつての王者がついに引退へと追い込まれた。

2013年のマジカルミライから10年間、3DCGライブとしての絶対的王者であり、すべての公式ライブ (リアル開催) における主軸として使われ続けていたFモデルが、ついにその地位から追い出されたのである。

マジカル10thのHand in Handの一シーンより。要はこの子の事である。

ある意味、Project DIVAの (真の) 終焉のようにも感じた。2009年のミクFES’09 (夏) から続く、セガの作る「ゲーム」による「初音ミクのライブ」が一通り終わったと言えないだろうか。正確にはプロジェクトセカイ系の「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE」がゲームとのモデル・モーション共通性を強く残したままでやっているが、僕からするとあれはセカイのオリジナルキャラクターのライブであって、そこに力添えする程度に初音ミクがいるという認識だから含まれえない。


感謝祭モデル (ACモデル) がZepp Tokyoの感謝祭から大感謝祭までの2年ほど、ミクパモデルがミクパ東京’11からMIKU EXPO 2014 New Yorkまでの4年ほどで、それぞれ主軸モデルとしての地位をFモデルに譲り、マジカルミライ・MIKU EXPOの双方で汎用的にFモデルは採用された。MIKU EXPO 2015 Shanghaiは、これからはFモデルこそが初音ミクを代表する姿だと象徴づけるイベントではあったのだ。

その後もほぼR3システム専用品のような使い方がされていた17・19モデルと堂々と張り合い、主軸モデルとしての地位を譲ることなく保ってきた。2023年時点で、ミニコンサート (夏の終わり39祭り) を含む初演から見れば、11年目である。かなりの長寿であろう。

16歳を迎える初音ミクの人生の半分以上は、Fモデルのすがたが「見慣れたもの」だと認識される程に、その品質の高さと出来の良さで人々にも愛され続けた。そんなモデルも、いつか「終わり」を迎えるのであって、それがどうやら「今」のようである。


正確には、ブループラネットやHEROのような、衣装着せ替えを要求される場面でのFモデルは新規に作られたので完全引退とは行かないようだ。ただ初音ミク (V2) の衣装を着た、いわゆる「デフォルトミク (デフォミク) 」と呼ばれる標準的なものは「新しいモデル」に立場を譲ったと解釈すべきだろう。19モデルの導入時さえ、ここまで徹底して無くされる事はなかったのだから。その意味では、初音ミク×鼓童’23は、Fモデル最後の晴れ舞台だったのだろうか。

とはいえ、初音ミクの世界に飛び込んできた時の「象徴的」な彼女の姿が、変わっていくことに悲しさを感じなくもない。Project DIVA由来のものが、こうやって奪われていくことは僕のキッカケなどを考えても、寂しいものである。

「R3」システムの終焉

今回のライブで、サービスモニターにリアルタイムでキャラクターを描画するシステムはほとんど出てこなかった。要は顔をアップにしたり、側面からキャラクターを一切描画していた従来の表現を一切廃止しているという事である。

要はこういう演出である。
20~22の間はサービスモニター上にこのような映像が出ていたのである。

このリアルタイムでデータを生成するシステムの事を「リアルタイム3DCGコントロールシステム」、略してR3などと呼ぶのだが、マジカル23の事前特番で、ライブプロデューサーの関本さんから一切「R3」という単語が出てこなかった。これはここ数年の事前特番からするとかなりの異例であり、先述のTBモデルがマジカルに採用されるか?などとかなりの変革を予見はしていたが、まさかここまで徹底して「廃止」されるとは思いもしていなかった。

関本さんのライブに関するシーンから再生されるように設定しています。

それに伴ってか、今年登場した19モデルは鏡音二人組の「いいねってYEAH!」のみであり、それさえもCセトリに入った日替わり曲であり、初音ミクが19モデルの姿で出る事は無かった。

強いて言うならば、HEROでサービスモニターを用いて、「違った世界観でミクが歌う一つの演出」が行われていたものぐらいだろう。昨年度のLoading Memoriesと同じような演出で、10thの事前特番ではR3システムの派生として扱っていたので、一応「R3」要素として含まれる。しかし同時に、今回のものは19モデルではなく、Fモデルをそのまま使っているようだった。すごく目が死んでいてぶっこ抜きモデルで制作した映像感があったが、レンダラーの違いによる性質だろうし、セガがFモデルを貸し出したことに若干の驚きはあるが… もしかするとアレも今回が最後になるのかもしれない不安はぬぐえない。


R3システムが本格的にライブに出たのは2018年の雪ミク併催のライブの事である。R3 LIVE Generatedなんて言って、リアルタイムに生成した3Dモデルを、透過スクリーンに映しこんでいたのである。確かにFモデルに比べてモデルの品質は劣っていただろうけれど、次の未来はこれなのかもしれないと、高校生ながら当時は思ったものである。

SNOW MIKU LIVE 2018のWOWOW中継より。
この時に起きた、インフルエンザの感染爆発 (パンデミック) に「うぱぱ」という俗称が付いた事は忘れられない。

他にも、「みんなに歌ってほしいところがあるんだ」ってミクさんがコールを煽るなんて事も、R3だからこそ出来た事である。一発で通った事例もあったってこと (未確認情報) なので、当時のシステムは描画・投射するキャラクターを、ちゃんとリアルタイムで生成していたのだろう。

それ以降、SNOW MIKU LIVE 2019やマジカルミライ2019に代表されるように、超歌舞伎や洛天依で知られるLATEGRAの力を借りて、19モデルを使ったR3のライブ演出を続けてきた。確かにSNOW MIKU LIVE 2018のようなDILAD/R3フィルム (透過スクリーン) 上のリアルタイム生成はなくなったとはいえ、サービスモニターにリアルタイム性は残り続けた。先ほど見せた顔アップの演出はまさにそのようなもののひとつである。

2020年には、鏡音二人組にも同様のモデル (これらも便宜上19モデルと言う) が制作され、顔アップや側面からのショットをサービスモニターに出す形のR3システムが定着するものだと思っていた。


けれど去年の時点から、19モデル楽曲の中でも「おこちゃま戦争」だけはR3システムによる顔アップ・側面描画が一切行われていなかった。また、マジカル10th札幌公演の配信映像で、R3による顔アップ・側面描画が品質向上 (プリレンダ化と推測) していた事から、徐々にリアルタイム性を失っている事は薄々感づいていた。また、Two YouやTHUNDERBOLTといったCFM独自のライブにおける独自モデルが徐々にR3要素を奪われていた事も、当時はR3のリアルタイム合成をマジカルミライ専用要素にしたいのかなと思っていたが、そうではなくて廃止に向けた変化だったのだろうか。

その結果が、今回のマジカルミライ2023である。19モデル新規楽曲の廃止、TBモデルの本採用に繋がるのではないだろうかと思うのだ。ユーザーサードから認識できるリアルタイム性が失われた今、もはやR3と呼ぶ必要はないのだろうかと思う。他方、DILADからR3フィルムに変わったり、CFMのライブに関するブランドに変化しているので、R3という名前がCFM/雷音の中から完全に消えるとは思わないが、「リアルタイムで生成する意味でのR3は死んだ」のがマジカルミライ2023であると、僕は思う。

透過スクリーンについて

透過スクリーンに関しても若干の驚きがあった。透過スクリーンにスポットライトを当てるという演出を行った点である。流石に画像を貼るわけにもいかないので、アーカイブを持ってる人はHand in Handの最後のシーンを見て欲しいが、従来のマジカルミライではやってこなかった演出である。理由は単純で、ミクさんが薄くなってしまうからである。

若干の妄想が絡むのでアテにしない欲しいが、個人的にはマジカルミライ10th Anniversary 札幌公演より導入された新型スクリーンのおかげで光に強いのではないかと想像している。この新型スクリーンはマジカル札幌、THUNDERBOLT、初音ミク×鼓童’23に続いてマジカル’23でも採用されており、特徴として推定幅2mの板を5枚横つなぎにしている事である (THUNDERBOLTでは3枚のみ使用、6m幅)

あまり機材には詳しくないので、この辺でとどめておこうと思う。興味がある人は是非調査してほしいところだ。

余談 ~ちょっと休憩~

企画展の画像が今年は多くないもので、企業展示もそう見て回ってないので、ミクスパート検定 第二回を受験したことでも書きたいと思う。

2枚目画像のテーブル右側一番奥が自分だ。概念を着ていくのは義務なんです。

今年は問題が難化してる気がしたし、自己採点が正直多分ダメポと言わん感じなので、そろそろ万年不合格をネタでやりそうな勢いがあるけれど、それも含めて文化ではなかろうかと僕は思うものである。起床試験/0次試験に落ちてないだけ、頑張ってるので褒めて欲しい。

(2023.09.28追記)
その後、成績個票が帰ってきて、当たり前のように不合格だし、こりゃすげぇ (白目) となったので勘は当たってたようだ。自己採点時から怪しかったけど、1問目を見事に全部外してるのは中々のアホのような気もする。自分にわかじゃん、ドメイン手放すべきかな((((


あぁ、あと今年もカプリチョーザのボンゴレをダブルで頼んで完食したんだった。2020年から計4回、上手いものはいくらでもお腹に収まってしまう。https://twitter.com/Sora_CLily/status

ボンゴレはうまいので、食べ過ぎない様にマジカルミライの時だけと定めてダブルを一人で平らげてしまうのである。アホかもしれないが、これも徐々に「伝統」と化してるのが笑うところだ。

講評のようななにか

シナモンとマジカルミライ21の身内グッズをくっつけたカバンでも置いておこう

今回のマジカルは良い事も、悪い事もあったのでここに書いていこうと思う。

残念だったこと

もうこれはみんなが言ってると思うが、企画展内およびイベント外周 (メッセ前の公園) でいかなる立ち止まりであっても、ほぼ許されなかった事は残念でならない。 問題点は以下のとおりである。

  • 灼熱地獄でありながら、立ち止まりが許されないので休憩ができない事
  • コスプレ&コミュニケーションエリアを通路として追い出しにかかる事
  • 施設管理権が及ばないはずの公園にまで解散を要求する事

最後の公園に関しては警察のお世話になる前の防波堤 (治安維持) という点で致し方ないかもしれないが、それ以外に関しては、中々TPOを分からないスタッフが多く、その上でかなり強い物言いだったので、かなり雑な運用だったと言わざるを得ない。総じて黒Tシャツのスタッフがそのような事を言っていたので、おそらく4字の某イベンター会社 (とn次請け) がよろしくなかったのだと思う。もし万が一、主催のクリプトンがこれを行っていたとしたら、もう交流を一切行わせたくないという事だろうし、正直なんで矛盾する行為を行ってるんだ?とは思うので無いとは思うが…

幸いにも私はアパホテル宿泊民だったので、ライブ以外はアパに引きこもる事で対応したが、そのせいか今年はまともに人と会う事が無く、エンカウントボーナスの名刺の配布量が低下しているようだった。交流の観点でも、かなり阻害されていたのである。そのような都合から、今年の企画展はこれまでで一番、悪印象が強く残ってしまった。もし来年以降もこのようなものを残すとしたら、10thの時にアドトラックを出していたスペースを交流エリアにしてほしく思うものだ。

このスペースの事である

交流を規則でもって、システマティックに否定する事も出来るだろうが、そのようなマジカルは「カル抜き」の「マジミラ」に過ぎないと僕は思う。

昨年のブログにも書いたが、ずーっと『本気 (なコンサートと、)・(初音ミクの) 文化・(のこれまでと) 未来』を抱えたマジカルミライが続いていくことこそが、ピアプロ・キャラクターズが愛される秘訣だと僕は信じているので、厳格規制論に傾くことが無いように願うばかりである。


また、三本締めが過去のライブ史上、最悪なレベルにバラバラだったことも書いておきたい。個人的には、せっかく千秋楽はバンドメンバーが「ありがとうございましたー!」ってやるなら、初音ミク×鼓童’23のように、ミクさん側が統一されたタイミングで、一丁締めの環境を提供する事で対処できないだろうかと思ったりはする。

確かに非公式文化が公式に取り込まれることに賛否はあるだろうが、幕張メッセ程にデカい会場だと、端から端で300mを超えてしまい、真ん中で音頭取りする人間の声も聞こえにくいし、音速でも1秒のラグが発生してしまう。そのラグを抑える点でも、ミクさん側に演出としてやってもらえば、映像データは光速で目に飛び込んでくるのだから、ズレも抑えられるのではないかと思うのである。

ちなみに、これらの内容に関しては公式アンケートにも (言い方こそもっと柔らかいが) 送っているので、愚痴っているだけではない事は書き残しておく。

よかったこと

企画展と一転、作品としてのライブは新曲が多いながらもかなりの好印象を受けた。久々の声出し可能なマジカルミライに加え、知らなかった曲に触れるチャンスであったり、日替わりセットリストを全制覇すると、新モデル、Fモデル、ミクパモデル、FTモデル、19モデルの5つを全制覇出来る事が良かったと思う。モデルを観察している人にとっては嬉しいものだ。

あと名刺を人に渡すと「シー・リリィちゃんの人ですよね」「ウミユリの人ですよね」と、そこそこ知られわたっていた事も驚きが隠せなかった。名刺には、今年も新しい子と共にシーリリィちゃんを乗っけていたし、「概念」などを着用してたので、徐々にそう広まっているようである。嬉しいばかりだ。

左の名刺が今年のマジカルミライ向けの名刺である。
開発中のデフォミクもなんとか間に合った。

一部には「アパ幕張のあれこれ」で認識されていた事もあった。会期中にスイート客室に泊まった事もあるので、近いうちに別のブログ記事を出そうと思う。

次のミライの妄想と、感想と。

さて、今回のマジカルミライを踏まえて、次のミライを考えてみたいと思う。

これまで、今年のマジカルミライは「次世代のマジカルミライ」を意識させると書いてきたが、実際 (良い点も悪い点も) そうだ。かわいい系からかっこいい系への転換、ミクだけのライブからピアプロ・キャラクターズ全員のライブへの変化、新モデルによるFモデルの置き換え、自社システムのR3の実質的な廃止、一度失われたコール文化の中途半端な復活、交流に対する徹底的な規制… 挙げればキリがない。コロナ禍で出来なかった変化が、一気にきたと言うべきか。

千秋楽後の花火を撮った写真である。

昨年と違って「感動」ってよりは「革新」に近い性格を抱えていたし、従来のマジカルミライとの違いが多かったのが、マジカルミライ2023であった。このままでは「カル抜き」マジカルになるのでは?という問題もあるけれど、とりあえずはこうして無事に終わって何よりである。


様々な変化の中でも、新モデルによるライブと、それに伴う各種変化は自分にとって重要な変化であった。そして、そこから見出される未来としてセガの再接近を感じ取った気がするのだ。かつて、初音ミクのライブはほぼセガの為す仕事であった。それはProject DIVAというゲームの販促という側面もあったのだけど、結果的に感謝祭 (主催、Project DIVAの販促的な側面が強い) 、ミクパ (これに関しては感謝祭DVDフリスビー事件から始まる喧嘩別れの側面もあるが)、マジカルミライ (Fモデルの供与) と初音ミクのコンサートと、文化を発展させる礎となった。

一方で、クリプトン自身も2013年ごろからR3システムを作ったり、ミクパ事務局を引き取ってMIKU EXPOにリブランドしてみたり、マジカルミライはMXと共同主催をやってみたり、自社モデルの14/17/19モデルのような進化を試みてきた。一部は賛否がくっきりと分かれたが、何とか定例化していくことに成功した。

そうして両社は離れていって、2020年時点では、いつか19モデルに統一されて、セガ要素を徹底排除したCFMによる単独ライブになるように思った。けれど、どうやらTHUNDERBOLTの頃から薄々感じてはいたが、そうでは無いようである。

確かにFモデルは今後登場機会を減らしていくだろう。一方で、新モデルは (少なくともモデリングで) セガが関与してるっぽいし、一方でテイストや色味は大分クリプトンの考えている初音ミクの理想像、19モデルっぽい色味で投影している事を考えると、両者が混ざったもののように思うのだ。まるで、セガとCFM (ってよりは雷音だろうが) 、どちらも

共に歩んできたこの日々が
僕たちで紡いできた物語が
いつか
君の未来に
もっと
沢山の拍手に
繋がっていきますように

HERO / Ayase feat. 初音ミク

とでも考えていたと言わんばかりのムーブメントである。一度は離れようとしているように (外からは) 見えたのに、CFMさえ弄れない初音ミク (君) という皆の意思の集合体の元に、その発展の為に、こうして両社が一致団結して、片一方だけの仕事ではなく、適切な距離感で向き合うのは、ファンとしては嬉しい限りである。

ちゃんとSEGA feat HATSUNE MIKU Projectになってるあたり、今後も関係性は続くのかなと期待させてくれる。

今後もセガとCFMの協力によって生み出されるライブ作品は、是非とも見ていきたいと思う。


今年は初音ミク16周年もあるし、楽曲も後半の方はそれを意識させる組み合わせだった。演出の作り方がみんなで祝わせる部分など、「クリプトンのピアプロ・キャラクターズ」感が例年に増して強い演出で、かつて初音ミクを泣かせたときと同じような事にならないかと若干心配だったけれど、そんな事は杞憂で済んだし、僕個人の感想としては「クリプトンのピアプロ・キャラクターズ」としての、初音ミクたちを見るのも好きである。

そんなマジカルミライ2023を象徴する楽曲として、アンコール1曲目の、ミクのいなかった曲「Birthday Song for ミク」があると僕は思っている。2番のサビから、一部を引用したいと思う。

初めて君の 声の音聴いて
世界が変わる Happy Birthday!
また新しい 歴史を歩む
エンジェルにおめでとう

Birthday Song for ミク / Mitchie M feat. 初音ミク

この楽曲は、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITOが初音ミクに捧げる曲、に近い側面を持つのだが、その中でも「また新しい歴史を歩む」という部分が、「次世代のマジカルミライ」とうまくマッチしてるように感じたのだ。そんな年をとる事のないけれど、進化を辞めない歌姫に、エンジェルに、ミク以外のピアプロ・キャラクターズと、観客がおめでとうを声をかける。涙もろい僕が、涙しないわけない。


さて、去年は初音ミクから「ここに集えた奇跡にありがとう」なんて「祝福Blessing」をもらった。だから、ありがとうって返した。

今年は、これからも新しくなっていく姿を見せてくれた彼女に、商業ビジネスだとか演出からくりとか「うるせぇ関係ねぇ」って突っぱね返して、ここに書かせてほしい。

おめでとう、初音ミク!

9年目 (3²) から、16年目 (4²) へと進みゆくミクの次の一歩が、すごく楽しみだ。
そんな次の、16年目の、はじめの一歩を飾るのが、マジカルミライ2023であった。

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