プリンスホテルの定礎集

2005年 (堤一族経営時代) 以前のプリンスホテルの定礎には堤家のサインが付いている。基本的には「堤康次郎」か「堤義明」の二択ではあるが、一部のプリンスホテルに付いていない (合弁事業や運営委託を受けた店舗に多い) 事や、売却してしまった施設が多いことから、その後の状態が判明していない物件も多く、このように取りまとめた。

なお、一族経営時代以降 (コクドの解散後) のプリンスホテル (名古屋スカイタワー、東京ベイ潮見、ぎのわん) には定礎が設けられない傾向にあるので、本記事では取り扱わない。

  1. 北海道・東北エリア
    1. 北海道
    2. 青森県
  2. 上信越エリア
    1. 新潟県
  3. 関東エリア
    1. 千葉県
    2. 埼玉県
    3. 東京都
    4. 神奈川県
  4. 中部エリア
    1. 静岡県
  5. 近畿エリア
    1. 滋賀県
    2. 京都府
    3. 大阪府
  6. 九州エリア
    1. 福岡県
    2. 熊本県
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北海道・東北エリア

ここでは北海道、青森県、秋田県に存在するプリンスホテルの定礎を解説する。

北海道

札幌プリンスホテル

定礎と「思われるもの」が、正面入口のレストラン側 (入口向かって左側) の壁にある。しかしながら、普段は傘立てが設置されており、傘立ての中を覗き込んで黒い板に彫られた「堤 義明」の名前が見えるにすぎない。基本的に建物の壁に名前を彫るのは定礎で間違いないはずだが、「定礎」の文字と竣工年が確認できないので「思われるもの」と表現させていただく。

なお、堤義明は札幌プリンスホテル (タワー棟) 開業後、2004年10月に有価証券報告書虚偽記載の責任を取る形でコクドを始めとしたグループ企業の役職を辞任している。その事もあってか、これが最後の「堤義明」の名前が彫られたプリンスホテルとなっている。

(旧) 札幌北広島プリンスホテル

かつて札幌北広島プリンスホテルだったホテルは、現在は札幌北広島クラッセホテルとして営業している。定礎は正面玄関に向かって右手側に設置されている。なお、刻印内容は竣工年 (平成二年) と堤義明のサインである。

(旧) ニセコ東山プリンスホテル

かつてニセコ東山プリンスホテルだったホテルは、現在は新館部分をヒルトンニセコビレッジとして、本館部分をザ・グリーンリーフ・ニセコビレッジとして営業している。このホテルでは定礎は発見する事ができなかった。

ここからは推測であるが、旧ニセコ東山プリンスホテル時代に新館に訪れたブログ記事を見ると、レンガ造りに見える柱や、茶色のヒルトンニセコの枠が存在せず、建物と同じ作りである事が分かる。新建築 1996年2月号のニセコ東山プリンスホテル新館特集においても、枠が無く、コンクリートっぽさが出ている事が分かるので、ヒルトンによる改装で定礎が隠されている可能性は否定できない。これは本館においても同じで、外装のリニューアルが行われた事が口コミサイトより確認できる。

また、ニセコビレッジ自体がコクドとニセコ町の第三セクター「ニセコ開発」を通じた開発だった事もあり、合弁/請願系プリンスホテルによくある定礎を有さない、もしくは堤家のサインはないプリンスホテルであった可能性もある。もっとも、ニセコ町の出資額は100万円と微々たるもので、実質的にコクド主体による運用ではあったのだが。

青森県

(旧) 鰺ヶ沢プリンスホテル

かつて鰺ヶ沢プリンスホテルだったホテルは、現在はロックウッド ホテル&スパとして営業している。定礎は正面玄関前に設置されている。なお、刻印内容は竣工年 (平成六年) と堤義明のサインである。

刻印内容が見えにくいが、光を当てると分かりやすい
刻印内容を赤く強調したもの

上信越エリア

ここでは群馬県、長野県、新潟県に存在するプリンスホテルの定礎を解説する。

新潟県

(旧) 妙高パインバレープリンスホテル [無]

かつて妙高パインバレープリンスホテルだったホテルは、現在はアパリゾート上越妙高として営業している。このホテルでは定礎は無かったものと思われる。理由として松下興産との合弁事業で作られた店舗であり、プリンスホテルは運営委託していただけに過ぎない事が挙げられる。

関東エリア

ここでは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県に存在するプリンスホテルの定礎を解説する。

千葉県

(旧) 成田プリンスホテル [無]

かつて成田プリンスホテルだったホテルは、現在は東横INN成田空港 本館 (うち1号館の部分)として営業している。このホテルでは定礎は無かったものと思われる。理由として三井商事が建てたホテルをプリンスホテルは運営委託していただけに過ぎない事が挙げられる。

(旧) 幕張プリンスホテル

かつて幕張プリンスホテルだったホテルは、現在はアパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉として営業している。定礎はセントラルタワーの正面玄関に設置されている。なお、通常は壁面に刻印するところ、鉄板に定礎と書かれている。この鉄板は埋め込まれておらず、上から取り付けられたような形なので、本来の定礎はこの裏に隠されていると考えられる。

鉄板で覆われているようである
この画像の右側にある黒い部分が定礎である

埼玉県

川越プリンスホテル

定礎はホテル用の車止めがある正面玄関に設置されている。刻印内容は竣工年 (平成三年) と堤義明のサインである。

(旧) 飯能プリンスホテル

かつて飯能プリンスホテルだったホテルは、現在はホテル・ヘリテイジ飯能sta.として営業している。定礎はホテルエントランスの、改札口側に設置されている。刻印内容は竣工年 (平成四年) と堤義明のサインである。

中国割烹旅館 掬水亭

定礎は正面玄関に設置されている。刻印内容は竣工年 (平成二年) と堤義明のサインである。

東京都

サンシャインシティプリンスホテル

新宿プリンスホテル

東京プリンスホテル

定礎は{}に設けられている。刻印内容は竣工年 ({}) と堤康次郎のサインである。

ザ・プリンス パークタワー東京

定礎は正面玄関に向かって左側に設けられている。刻印内容は竣工年 (平成十七年) のみである。

なお、堤義明は2004年10月に有価証券報告書虚偽記載の責任を取る形でコクドを始めとしたグループ企業の役職を辞任している。その事もあってか、2005年4月11日に開業したパークタワー東京には堤義明の名が彫られていないと考えられる。(全体的に石の上側に刻印されているのも、当初は名前を彫る予定だった可能性があろう)

グランドプリンスホテル高輪

定礎は正面玄関と駐車場の間に設けられている。刻印内容は竣工年 (昭和三十五年) と堤康次郎のサインである。なお、定礎の下部に鉄板で「新館竣工 昭和四十六年三月」ともあるが、現在の建物は昭和四十六年開業なので、こちらがグランドプリンスホテル高輪としては正しい竣工年となる。

なお、グランドプリンスホテル高輪には和室のみを備えた別館が存在し、こちらは昭和35年に竣工した建物である。したがって、定礎の内容は誤りではない。ただし、2016年の改装リニューアルにあわせ、別館部分をグランドプリンスホテル高輪から分離し、「高輪 花香路」という旅館として営業する形となったので、別館の存在を知らない人からは不自然な竣工年となってしまった。

グランドプリンスホテル新高輪

定礎は正面玄関を進んだ先にあるタクシー乗り場の目の前に設けられている。刻印内容は竣工年 (昭和五十七年四月) と堤義明のサインである。

ザ・プリンス さくらタワー東京

定礎は正面玄関のドアのすぐ横に設けられている。刻印内容は竣工年 (平成十年) と堤義明のサインである。

品川プリンスホテル

品川プリンスホテルには複数の客室棟があるので、それぞれ説明する。

イーストタワー [無]

かつて本館と呼ばれた現在のイーストタワーは、品川プリンスホテルを構成する客室棟の中でももっとも古い建物である。しかしながら、この客室棟では定礎は見つけられていない。

Nタワー

かつて別館やノースタワーと呼ばれた現在のNタワーは、品川プリンスホテルを構成する客室棟の中でも2番目に古い建物である。この客室棟の定礎は正面玄関のすぐ横に設けられている。刻印内容は竣工年 (昭和六十一年) と堤義明のサインである。

メインタワー [無]

かつて新館と呼ばれた現在のメインタワーは、品川プリンスホテルを構成する客室棟の中でも最も高く、また客室数の多い建物である。この客室棟では定礎は見つけられていない。

なお、正面玄関周辺のメインタワーを構成する壁には大量の傘立てが設置されている。札幌プリンスホテルや、新横浜プリンスホテルのように傘立てが定礎を隠している可能性もあると著者は考えている。

アネックスタワー

かつてエグゼクティブタワーと呼ばれた現在のアネックスタワーは、品川プリンスホテルを構成する客室棟の中でも最も新しく、また映画館など多様な施設が入居している。この客室棟の定礎はT・ジョイPRINCE品川/アネックスタワーの入り口に立っている三角型の案内板の裏に設けられている。刻印内容は竣工年 (平成十四年) と堤義明のサインである。

神奈川県

新横浜プリンスホテル

定礎はホテル用の車止めがある正面玄関に向かってホテル看板側 (左側) の傘立て周辺に設けられている。刻印内容は竣工年 (平成四年) と堤義明のサインである。

なお、札幌プリンス程ではないにせよ、雨天の際には傘立てが移動されたり、増やされる事があり、結果として定礎が隠される事があるようだ。

(旧) 横須賀プリンスホテル

かつて横須賀プリンスホテルだったホテルは、現在はメルキュール横須賀として営業している。定礎は国道16号線に面している駐車場出口のそばに設けられている。なお、刻印内容は竣工年月 (平成5年10月) のみであり、珍しく算用数字が使われているほか、堤義明のサインは存在しない。これはプリンスホテルがベイスクエア横須賀に入居するテナントにすぎず、建物そのものは別の事業者によって複合的な要素を持つ施設として作られた事によると考えられる。

鎌倉プリンスホテル

定礎は正面玄関に向かって右端に設けられている。刻印内容は竣工年 (平成七年) と堤義明のサインである。

大磯プリンスホテル

定礎は宴会場とスパ棟の間に挟まれた、宿泊棟の入り口横に設置されている喫煙コーナーに設けられている。刻印内容は竣工年 (昭和六十三年) と堤義明のサインである。

フロント機能を有するスパ棟 (THERMAL SPA S.WAVE) は2017年に新設された建物であり、コクド解体後の建物である為、調査の対象から外している。(おそらく無いはずだ)

また、現在の宿泊棟はかつて3号館と呼称されていた、もっとも新しい宿泊棟である。大磯ロングビーチホテル新館として1964年に開業した1号館、大磯プリンスホテル新館として1980年に開業した2号館は存在せず、前述のスパ棟はその跡地に作られたものである。

他、別館滄浪閣もプリンスホテルによって増築が行われており、プリンスホテル式の定礎が設けられていたようだが、2024年現在、既に解体されている。

ザ・プリンス 箱根芦ノ湖

芦ノ湖畔 蛸川温泉 龍宮殿

(閉) 箱根園レイクサイドアネックス

箱根仙石原プリンスホテル

箱根湯の花プリンスホテル

中部エリア

ここでは静岡県 (伊豆エリア) に存在するプリンスホテルの定礎を解説する。

静岡県

三養荘

(旧) 大仁ホテル

下田プリンスホテル

定礎は正面玄関に向かって左端に設けられている。刻印内容は竣工年月 (竣工 昭和43年7月) と堤義明のサインである。なお、算用数字で竣工年を表示している珍しい定礎となっている。

(旧)松崎プリンスホテル

近畿エリア

滋賀県

びわ湖大津プリンスホテル

京都府

ザ・プリンス 京都宝ヶ池

大阪府

(旧) 守口プリンスホテル

九州エリア

福岡県

(旧)北九州プリンスホテル

熊本県

(旧) 阿蘇プリンスホテル

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