このページにはアパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉 (以降アパ幕張) に見られる、旧幕張プリンス時代の名残をまとめる。
開業時期の近いプリンスホテル施設
旧幕張プリンスの宿泊棟 (現在のセントラルタワー) は1993年4月開業であるが、この前後2年に開業したプリンスホテルのうち、現存している国内の店舗として以下のものが挙げられる。
ホテル名 | 開業日 | 付記事項 |
川越プリンスホテル | 1991年9月5日 | |
新横浜プリンスホテル | 1992年3月20日 | |
嬬恋高原ホテル (新客室棟) | 1992年12月23日 | 現. 嬬恋プリンスホテル (新館部分) |
(旧) 飯能プリンスホテル | 1992年10月23日 | 現. ホテル・ヘリテイジ飯能sta. |
(旧) 幕張プリンスホテル | 1993年4月1日 | 現. アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉 |
釧路プリンスホテル | 1993年6月1日 | |
(旧) 徳島プリンスホテル | 1993年6月16日 | 現. 徳島グランヴィリオホテル |
(旧) 横須賀プリンスホテル | 1993年11月13日 | 現. メルキュール横須賀 |
日南海岸南郷プリンスホテル | 1994年7月21日 | |
広島プリンスホテル | 1994年8月25日 | 現. グランドプリンスホテル広島 |
品川プリンスホテル (新館) | 1994年12月3日 | 現. メインタワー |
(旧) 奥琵琶湖マキノプリンスホテル | 1995年5月23日 | 現. 奥琵琶湖マキノグランドパークホテル |
鎌倉プリンスホテル | 1995年7月22日 |
上記年表は以下サイトを参考資料として、再構築したものである。
「西武グループの歴史」(http://web2.nazca.co.jp/dfg236rt/page013.html)
西武プリンス公式「会社の沿革」(https://www.seibuprince.com/ja/company/history)
このうち、メルキュール横須賀 (旧横須賀プリンスホテル) はアパ幕張 (旧幕張プリンスホテル) と同じ1993年に開業し、どちらも丹下健三によって設計された事もあってか、外見の雰囲気こそ異なるものの、客室設計が類似している箇所が多い。
また、どちらの施設も同じ2005年に売却され、翌年にプリンスホテルとしての営業を終了をしている点も類似している。さらに、いずれの施設もリブランド後に客室構造に手を付けるなどの大規模な改装を行っていない事もあり、90年代の古いプリンスホテルの性質を色濃く残している部分も多々見られる。
本ページでは、アパ幕張に残る旧プリンスホテルの要素をピックアップし、列挙する事とする。
ドアチャイム
セントラルタワーの客室には、アパホテルにしては珍しくドアチャイムがあるが、これは旧幕張プリンスホテル時代から流用しているものである。
90年代のプリンスで幅広く使われていたようで、上記画像以外にも、品川プリンスホテル (アネックス) や札幌プリンスホテル、嬬恋プリンスホテル (新館のみ)、旧奥琵琶湖マキノプリンスホテル、グランドプリンスホテル広島、日南海岸南郷プリンスホテルなどで同じものが見られる。
エアコンのコントローラー
セントラルタワーの客室エアコンはウエスト/イーストウイングと違い、温度調整が数字で行えず、おおよその位置に合わせる形での調整しかできないが、このエアコンのコントローラーも旧幕張プリンスホテル時代から流用しているものである。メーカーはアズビル株式会社 (当時は山武ハネウエル株式会社) のものである。
上記画像以外にも、こちらもグランドプリンスホテル広島に見られるものである。また今は撤去されたが日南海岸南郷プリンスホテルにも同じものが設置されていたようである。ただし、アパ幕張の通常客室 (17.8平米の部屋) に関しては、他のプリンスホテルと異なる仕様を採用していた。風量調節機能がベッド元のコントロールパネルに埋め込まれておらず、温度調節コントローラ下に存在し、他の実装例と若干異なる仕様を採用していた。
また、妙高パインバレープリンスホテルとして作られたアパホテル&リゾート<上越妙高>においても同様の山武ハネウエル製のコントロールパネルを採用している。
避難経路図
客室のドアに付いているカードキーホルダー付きの「避難経路図」は旧幕張プリンス時代から流用したものである。
こちらも上記画像のほかに、新横浜プリンスホテルなどに同じカードホルダー付きの避難経路図が設置されている。
ユニットバス
セントラルタワーの客室には通常のアパホテルが採用するたまご型ユニットバスが設置されておらず、シティホテルで見るような形の3点式ユニットバスが採用されている。なお、デラックスツイン/トリプルに使用される角部屋には独立した洗面台が外に設置されている事から、バスとトイレの2点式ユニットに削減されているが、手洗いに特化した小型の洗面台がユニットバス内に設けられている。いずれのタイプのユニットバスも、旧幕張プリンスホテル時代から流用しているものである。
押しボタン式のトイレの水洗ボタン (リモコンフラッシュバルブという) はプリンスホテル全体として良く見られる設計であり、軽い手洗い用の洗面台は旧赤坂プリンスホテルや旧飯能プリンスホテルにも異なる形ながらも存在する。
(品川プリンスホテルで撮影)
(品川プリンスホテルで撮影)
また、旧横須賀プリンスホテルで使用されているユニットバスは、全く同一のものである。